パキラを大きくしたい!剪定と育て方をわかりやすく解説

観葉植物の中でも特に人気の高いパキラ。おしゃれなカフェやインテリアショップで見かけるような、背の高い立派なパキラに憧れる方も多いのではないでしょうか。
しかし、大きなサイズのパキラは価格も高めなのが実情です。
100均などで手軽に購入できる小さなパキラでも、正しい知識があれば、見違えるほど立派に成長させることが可能です。
この記事では、パキラを大きくしたいと考えるあなたのために、具体的な剪定や育て方のコツを解説します。
何年で大きくなるのかという成長の目安から、おしゃれな編み込みやねじり方、さらには気になる風水の効果、例えばトイレに置くとどうなるのかといった疑問にもお答えします。
また、逆に大きくしたくない場合や成長しすぎたときの対処法までご紹介します。
- 大きく育てるための方法
- 大きくするための剪定とタイミング
- 苗の選び方と日々の管理
- 仕立て方や風水などの応用知識
パキラを大きくしたい人必見!基本の育て方

- 大きくするための剪定と育て方のコツ
- 何年で大きくなる?成長スピードの目安
- パキラはどこまで大きくなるのか
- 実生苗を選ぶのが最初のコツ
- 100均のパキラからでも育てられる?
大きくするための剪定と育て方のコツ

パキラを大きく、そして健康的に育てるためには、日々の管理に加えて「剪定」が欠かせません。剪定には、見た目を整えるだけでなく、株のエネルギーを効率的に使い、成長を促進させる目的があります。
剪定の目的とタイミング
剪定の最大の目的は、不要な葉や枝を取り除くことで、栄養を幹や新しく伸ばしたい部分に集中させることです。
葉が茂りすぎると、栄養が分散してしまい、一つ一つの葉が小さくなったり、幹が太くなりにくくなったりします。
剪定に最適な時期は、パキラの生育期である5月から9月頃です。この時期は生命力が旺盛なため、剪定で枝を切り落としてもすぐに新しい芽を出し、回復が早いという利点があります。
育て方の基本ポイント
大きく育てるための基本的な育て方は、以下の通りです。
①置き場所: パキラは耐陰性がありますが、大きくしたい場合はレースのカーテン越しなど、明るい日当たりの良い場所に置くのが理想です。日光を浴びることで光合成が活発になり、成長が促進されます。
②水やり: 水やりは、土の表面が完全に乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。常に土が湿っている状態は根腐れの原因になるため、水のやりすぎには注意しましょう。
③肥料: 生育期の春から秋にかけては、観葉植物用の緩効性肥料を2ヶ月に1回程度与えるか、液体肥料を規定の倍率に薄めて10日に1回程度与えると、成長を力強くサポートできます。
④植え替え: 根が鉢の中でいっぱいになると、それ以上成長できなくなります。1~2年に1回は、一回り大きな鉢に植え替えることで、根が伸びるスペースを確保し、さらなる成長を促します。
これらの基本を守りながら適切な剪定を行うことが、パキラを大きく育てるための最も確実な方法と言えるでしょう。

何年で大きくなる?成長スピードの目安

パキラの成長スピードは、生育環境に大きく依存します。特に春から秋にかけての生育期には、目に見えて成長を感じられるでしょう。
一般的に、適切な環境下で育てた場合、パキラは1年間で20cmから50cmほど伸びることがあります。
小さな15cm程度の苗から育て始めた場合、人の背丈に近い150cm程度に達するまでには、順調にいけばおよそ3年から5年が一つの目安と考えられます。
ただし、これはあくまで理想的な環境での話です。日照不足の室内や、植え替えを怠ったままでは成長は鈍化します。
逆に、春から秋に屋外で管理し、十分な日光と適切な肥料を与えることで、成長スピードをさらに早めることも可能です。
以下の表は、生育環境による成長スピードの違いをまとめたものです。
生育環境 | 1年間の平均成長量 | 特徴 |
日当たりの良い屋外 | 30cm ~ 70cm | 最も成長が早い。葉の色が濃くなり、幹も太くなりやすい。 |
日当たりの良い室内 | 20cm ~ 50cm | 安定して成長する。徒長(ひょろひょろに伸びること)しにくい。 |
日陰の室内 | 10cm ~ 20cm | 成長は緩やか。日光を求めて徒長しやすいため、定期的な日光浴が必要。 |
このように、あなたがどれくらいの速さでパキラを大きくしたいかによって、置く場所や管理方法を調整することが有効です。
パキラはどこまで大きくなるのか

パキラは非常に生命力が旺盛な植物です。原産地である中南米の熱帯地域では、樹高が10メートルを超える大木にまで成長します。
もちろん、日本の室内で鉢植えとして育てる場合にそこまで巨大化することはありませんが、適切な環境で管理すれば、2メートル程度の高さにまで育てることは十分に可能です。
成長のポテンシャルが非常に高いため、小さな苗からでも、育て方次第で部屋のシンボルツリーになるほどの存在感を放つようになります。
ただ、どれだけ大きくなるかは、育てる環境や管理の方法、そして後述する苗の種類によって大きく左右される点を覚えておく必要があります。
日当たりや水やり、肥料、植え替えといった日々の手入れが、パキラの最終的な大きさを決定づける鍵となるのです。
実生苗を選ぶのが最初のコツ

パキラを太く、大きく育てたい場合、購入する苗の種類が非常に重要になります。パキラの苗には、主に「実生(みしょう)苗」と「挿し木(さしき)苗」の2種類が存在します。
実生苗とは
実生苗は、種から発芽させて育てた苗のことです。最大の特徴は、根元がぷっくりと膨らんでいる点にあります。
この膨らんだ部分に栄養や水分を蓄える性質があり、成長に伴って幹がどんどん太く、たくましくなっていきます。
したがって、がっしりとした力強いパキラに育てたいのであれば、実生苗を選ぶことが絶対的な条件と言えます。
挿し木苗とは
一方、挿し木苗は、成長したパキラの枝を切り取り、土に挿して発根させた苗です。
園芸店や100均でよく見かける、幹が細く真っ直ぐで、まるで小さな木のような姿をしているものがこれにあたります。
挿し木苗は、購入した時点である程度の大きさがありますが、幹が実生苗のように劇的に太くなることはほとんどありません。
見分け方
見分け方は簡単で、株元を観察します。根元が明らかに徳利のように膨らんでいれば実生苗、幹の太さが上から下までほぼ一定であれば挿し木苗です。
小さな苗で見分けがつきにくい場合は、土から出ている幹の根元が鋭利にカットされたような跡があれば、それは挿し木苗の可能性が高いと考えられます。
大きく育てるという目的を達成するためには、購入時に少し注意して、この「実生苗」を選ぶことから始めてみてください。
100均のパキラからでも育てられる?

「100均の小さな苗から、本当に大きなパキラに育てられるの?」という疑問を持つ方は少なくありません。答えは「可能」です。
100円ショップで販売されているパキラは、まだ幼い苗ですが、基本的な生命力は園芸店で販売されているものと何ら変わりません。
ただし、大きく育てるためには購入後に必ず行ってほしい重要な作業があります。それは「植え替え」です。
100均で販売されている観葉植物は、非常に小さなビニールポットに入っている場合がほとんどです。この状態では、根が伸びるスペースが限られており、土に含まれる養分もごくわずかです。
そのため、そのまま育て続けても大きく成長することは期待できません。購入したら、できるだけ早い段階で、現在入っているポットよりも一回りから二回り大きな鉢に植え替えてあげることが、成長への第一歩となります。
植え替えの際には、水はけの良い観葉植物用の土を使用しましょう。これも100均やホームセンターで手軽に入手できます。
適切な環境を整えてあげることで、100均のパキラも驚くほど元気に、そして大きく育っていきます。
パキラを大きくしたいなら知りたい応用テク

- 幹が太くならないときのチェック項目
- 大きくしたくない!成長しすぎの対処法
- おしゃれな編み込み・ねじり方の手順
- 風水効果は?トイレに置くとどうなる?
幹が太くならないときのチェック項目

一生懸命育てているのに、パキラの幹がなかなか太くならない、ひょろひょろとしてしまう、という悩みもよく聞かれます。幹が太くならない場合、いくつかの原因が考えられます。
苗の種類: 挿し木苗を育てている場合、幹を太くすることは構造的に困難です。もし幹を太くすることが最優先であれば、実生苗への買い替えを検討するのも一つの手です。
日照不足: パキラが幹を太くするためには、十分な光合成によるエネルギーが必要です。室内が暗すぎると、植物は光を求めて上へ上へと伸びようとします。これが「徒長(とちょう)」と呼ばれる現象で、結果として幹が細く、間延びした姿になってしまいます。まずは置き場所を見直し、より明るい場所へ移動させてみましょう。
風通し: 屋外の植物が風に揺られることで幹を強くしようとするのと同様に、適度な空気の流れはパキラにとっても良い刺激となります。室内で育てる場合でも、サーキュレーターで空気を循環させたり、定期的に窓を開けて換気したりすることで、幹が丈夫に育つのを助ける効果が期待できます。
根詰まり: 鉢の中で根がぎゅうぎゅうに詰まっていると、水分や養分を十分に吸収できなくなり、成長が停滞します。鉢底から根が見えていたり、水の染み込みが悪くなったりしたら、植え替えのサインです。
これらの項目を一つずつチェックし、当てはまる点があれば改善していくことで、幹が太く、たくましく育っていくのが実感できるはずです。
大きくしたくない!成長しすぎの対処法

この記事ではパキラを大きくする方法を中心に解説していますが、一方で「これ以上大きくしたくない」「今のサイズを維持したい」というニーズも存在します。
パキラは生育旺盛なため、放置しておくとあっという間に天井に届くほど成長しすぎることもあります。
このような場合は、成長を抑制するための管理に切り替えます。
まず、最も効果的なのが「剪定」です。大きくしたくない場合は、伸びてきた枝や葉をこまめに切り戻しましょう。
理想の高さや幅を決めておき、そこからはみ出した部分を定期的にカットすることで、樹形をコンパクトに保つことができます。剪定は、成長期であればいつでも行うことが可能です。
次に、「植え替え」の頻度を調整します。
通常、成長を促すためには1~2年に1回、より大きな鉢へ植え替えますが、サイズを維持したい場合は、植え替えの頻度を3~4年に1回程度に減らします。
植え替える際も、鉢のサイズは同じものを使用し、古い土を新しく入れ替える程度に留めましょう。これにより、根の成長が制限され、地上部の急激な成長を抑えることができます。
これらの方法を組み合わせることで、パキラが成長しすぎるのを防ぎ、お気に入りのサイズ感で長く楽しむことが可能です。
おしゃれな編み込み・ねじり方の手順

インテリア性を高めるテクニックとして、パキラの幹を編み込んだり、ねじったりする方法があります。
これは、まだ幹が柔らかい若い苗を複数本使うことで、人工的に作り出すことができます。
この作業は、幹が柔軟で曲げやすい実生苗を使用するのがおすすめです。また、作業の適期は、幹が成長して柔らかくなる生育期の5月~7月頃です。
必要なもの
- 同じくらいの高さのパキラの苗(3本または5本が一般的)
- 苗の本数に合わせた大きさの鉢
- 園芸用のワイヤーや麻ひも
手順
まず、用意した複数の苗を一つの鉢に寄せ植えします。このとき、後で編み込みやすいように、株元をなるべく近づけて植えるのがポイントです。
編み込む際に邪魔になる、幹の下の方についている葉や枝は、あらかじめ切り落としておきます。
3本の苗であれば三つ編みの要領で、根元から優しく編み込んでいきます。このとき、きつく編みすぎないように注意してください。幹が成長するためのスペースを考慮し、少しゆとりを持たせながら編むのがコツです。
編み終えたら、先端部分がほどけないように、ワイヤーやひもで軽く束ねて固定します。
風水効果は?トイレに置くとどうなる?

パキラは、その育てやすさや見た目のおしゃれさだけでなく、風水においても非常に人気の高い観葉植物です。
「発財樹(はつざいじゅ)」や「Money Tree」という別名を持ち、金運や仕事運をアップさせる効果があると言われています。
パキラの葉は、下向きに手を広げたような形をしています。風水では、このような下向きの葉には「悪い気を鎮める」「落ち着かせる」力があるとされています。
トイレに置くことの効果
風水において、トイレは「不浄の場所」とされ、悪い気が溜まりやすいと考えられています。家の中でも特に運気を左右する重要な場所です。
このトイレにパキラを置くことで、パキラが持つ「悪い気を鎮める」効果が発揮され、トイレの気を浄化し、空間全体の運気を改善する助けになると言われています。
また、パキラは耐陰性があり、比較的日陰にも強い植物です。窓がなくて日当たりが期待できないトイレでも育てやすいという点も、トイレに置く観葉植物として適している理由の一つです。
ただし、植物が元気に育ってこそ、良い風水効果が期待できます。
トイレに置く場合でも、時々は明るい場所に移動させて日光浴をさせてあげたり、換気を心がけたりするなど、パキラが健康を保てるような配慮を忘れないようにしましょう。
元気のない植物を置くことは、逆に運気を下げてしまう可能性もあるため注意が必要です。

パキラを大きくしたい!育て方と応用総まとめ
- 大きなパキラは高価だが、小さい苗から自分で育てることは十分に可能
- 100均のパキラでも、購入後すぐに植え替えれば大きく育てられる
- 幹を太く、たくましく育てたいなら「実生苗」を選ぶことが最も重要
- 挿し木苗は幹が太くなりにくいため、購入時に見分ける
- パキラは環境が良ければ1年で20cm~50cmほど成長する
- 理想の大きさになるまでには、3年~5年が一つの目安
- 成長を促すためには、明るい日当たりの良い場所に置くのが基本
- 水やりは土の表面が完全に乾いてからたっぷりと与える
- 生育期の春から秋には、定期的に肥料を与えて成長を助ける
- 1~2年に一度、一回り大きな鉢への植え替えが成長の鍵
- 不要な枝葉を剪定すると、栄養が幹や新芽に集中し成長が早まる
- 剪定の適期は、回復が早い生育期の5月~9月
- 幹がひょろひょろになる原因は、主に日照不足や根詰まり
- 逆に大きくしたくない場合は、剪定をこまめに行い、植え替えの頻度を落とす
- 複数の若い苗を使えば、幹を編み込むなどのおしゃれな仕立ても楽しめる