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胡蝶蘭の茎はどこで切る?花後の手入れを完全ガイド

胡蝶蘭の茎はどこで切る?花後の手入れを完全ガイド
naoko

美しい姿で空間を彩ってくれる胡蝶蘭。お祝いなどでいただくことも多いですが、花が終わった後の扱いに迷ってしまう方は少なくありません。

「胡蝶蘭の茎を切るタイミングはいつ?」「花が終わったらどこで切るのが正解なの?」といった疑問から、「枯れた茎を切るべきか、茎だけになったらどうすればいいのか」というお悩みまで、その関心は尽きないものです。

さらに、花が終わったら植え替えや水やり、肥料の管理はどうすれば良いのか、具体的なお手入れの方法も気になりますよね。

この記事では、胡蝶蘭の花茎のどこをカットすれば良いのかという基本から、もう一度花を咲かせる二度咲きの切り方まで、初心者の方にも分かりやすく、そして詳しく解説していきます。

記事のポイント
  • 花が終わった後に茎を切るべき場所がわかる
  • 目的別の茎の切り方(二度咲き・来年用)
  • 茎を切った後の正しい植え替えや水やりの方法
  • 茎の変色や折れた時のトラブル対処法

初心者向け!胡蝶蘭の茎を切る基本

初心者向け!胡蝶蘭の茎を切る基本
画像イメージ:花庭
この章のポイント
  • 花が終わったらどこで切るのが正解?
  • 切る場所はここ!花茎のどこを見る?
  • 来年も楽しむために枯れた茎を切る
  • もう一度咲かせる二度咲きの切り方
  • 花が落ちて茎だけになった時の管理

胡蝶蘭の花が咲き終わった後、茎をどのように扱えば良いか迷う方は少なくありません。実は、適切な位置で茎を切ることで、株を健康に保ち、翌年以降も美しい花を楽しめます。ここでは、胡蝶蘭の茎を切る基本的な方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

花が終わったらどこで切るのが正解?

花が終わったらどこで切るのが正解?
画像イメージ:花庭

胡蝶蘭の花がすべて咲き終わった後、茎を切る位置には、主に2つの選択肢があります。どちらを選ぶかは、今後どのように胡蝶蘭を育てていきたいかによって決まります。

一つは、来年も立派な花を咲かせるために、株の体力を温存させる方法です。

もう一つは、比較的早く次の花(二番花)を楽しむ方法になります。

それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身の希望やお持ちの株の状態に合った方法を選んでください。

株を長持ちさせたい、来年も豪華な花を見たい場合は、根元でカットして株を休ませるのがおすすめです。

一方で、手軽にもう一度花を楽しみたい場合は、茎の途中でカットして二度咲きに挑戦するのが良いでしょう。

目的切る場所メリットデメリット
株の体力を温存(来年用)花茎の根元近く株が十分に休養でき、来年の花が豪華になりやすい次の開花まで時間がかかる
二度咲きを楽しむ花茎の途中(節を残す)数ヶ月で再び花が咲く株が体力を消耗し、花が小さくなる傾向がある

切る場所はここ!花茎のどこを見る?

具体的に茎のどこを切るのか、見分けるための重要なポイントは節(ふし)です。花茎をよく観察すると、竹のように間隔をあけて少し膨らんだ部分が見つかります。これが節で、新しい花芽が伸びてくる成長点です。

株を休ませて来年に備える場合は、花茎の根元近く、下から3~5cmほどの位置で切ります。このとき、節が残っているとそこから芽が出てしまう可能性があるため、節を含まないように切るのがコツです。

一方で、二番花を咲かせたい場合は、根元から数えて3~4つ目の節の、2cmほど上を目安に切ります。こうすることで、残した節から新しい花芽が伸びてくるのを促します。

どこに「節」があるか分かりにくい場合もありますよね。迷ったときは、少し長めに残して様子を見るのも一つの手です。植物の状態に合わせて柔軟に対応しましょう。

来年も楽しむために枯れた茎を切る

来年も楽しむために枯れた茎を切る
画像イメージ:花庭

来年も元気で立派な花を咲かせたい、株をじっくり大切に育てたいと考えるなら、花茎を根元から切る方法が最も適しています。花を咲かせることは、胡蝶蘭にとって非常に大きなエネルギーを消費する活動だからです。

そのため、花が完全に終わった後、または花が3分の2ほど終わったタイミングで花茎を根元で切り落とすことで、株の負担を最小限に抑えられます。これにより、株は次の花を咲かせるためのエネルギーを十分に蓄えることができ、葉や根を成長させることに集中できます。

大輪の胡蝶蘭は特に注意

ギフトでいただくような豪華な大輪系の胡蝶蘭は、たくさんの大きな花を咲かせた分、株が疲れていることが多いです。株をこの先何年も長持ちさせるためには、二度咲きを狙わずにこの方法で体力を温存させてあげるのが確実と言えるでしょう。

もう一度咲かせる二度咲きの切り方

もう一度咲かせる二度咲きの切り方
画像イメージ:花庭

比較的早く、もう一度花を楽しみたい場合は二度咲き」に挑戦してみましょう。この方法は、まだ株に体力が残っており、葉が4枚以上あって元気な場合に有効です。成功すれば、切った後1~2ヶ月ほどで新しい花芽が出てきて、再び花を咲かせます。

方法はシンプルで、花茎の根元から節を数えて3~4つ目の節を探し、その節から約2cm上を清潔なハサミでカットします。

二度咲きの注意点

前述の通り、二度咲きは株の体力をさらに消耗させます。そのため、最初に咲いた花よりも小ぶりで、花の数も少なくなる傾向があります。

また、葉の枚数が少なかったり、株に元気がない状態で行うのは避けましょう。無理をさせると、株自体が枯れてしまう原因にもなりかねません。

花が落ちて茎だけになった時の管理

花が落ちて茎だけになった時の管理
画像イメージ:花庭

花がすべて落ちて茎だけになった胡蝶蘭は、次の開花に向けた休養と成長の期間」に入ります。この時期の管理が、来年の花付きを左右する非常に重要なポイントです。

まず、置き場所は直射日光を避けた、レースカーテン越しの明るく風通しの良い場所が最適です。エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。理想的な温度は18℃~25℃です。

水やりは、植え込み材(水苔やバークなど)の表面が完全に乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。

常に湿っている状態は根腐れの最大の原因になるため、水のやりすぎにはくれぐれも注意してください。季節にもよりますが、7日~10日に1回程度が目安となります。

胡蝶蘭の茎を切る前に知るべき育て方

胡蝶蘭の茎を切る前に知るべき育て方
画像イメージ:花庭
この章のポイント
  • 花が終わったら植え替えと水やりは?
  • 花が終わったら肥料はストップすべき?
  • 茎が折れたり変色した時のトラブル対処法
  • 切る前に準備すべき清潔なハサミ
  • 根と花芽の見分け方と間引くコツ

胡蝶蘭の茎を切る作業は、正しい知識があれば決して難しくありません。しかし、切った後の管理方法や、起こりうるトラブルへの対処法を事前に知っておくことで、より安心して胡蝶蘭との暮らしを楽しめます。ここでは、茎を切る作業と、その後の管理に関する一歩進んだコツを解説します。

花が終わったら植え替えと水やりは?

画像イメージ:花庭

花が終わった後の植え替えは、毎回必須というわけではありません。購入してから2年以上経過している場合や、鉢の中で根がぎゅうぎゅうに詰まっている(根詰まりしている)場合は、植え替えをおすすめします。植え替えに最適な時期は、株への負担が少ない4月~6月の暖かい季節です。

植え替え直後は、作業中に根が多少傷ついているため、すぐに水を与えるのは避けてください。植え替え後1週間~10日ほどは水やりを控え株を休ませます。

その後、植え込み材が完全に乾いたのを確認してから、通常通りの水やりを再開しましょう。根が新しい環境に慣れるまでは、やや乾燥気味に管理するのが失敗しないコツです。

さくら
さくら

寄せ植えの場合は?

ギフト用の胡蝶蘭は、一つの大きな鉢に複数の株が寄せ植えされていることがほとんどです。この場合、そのままでは根が蒸れて根腐れしやすいため、花が終わったタイミングで一株ずつ別の鉢に植え替えてあげると、その後の管理が格段にしやすくなります。

花が終わったら肥料はストップすべき?

花が終わったら肥料はストップすべき?
画像イメージ:花庭

はい、花が咲いている間と、花が終わってからの休眠期には、基本的に肥料は必要ありません。特に、株が弱っているときや、気温が低い冬場に肥料を与えると、吸収しきれずに根を傷める「肥料焼け」の原因になるため注意が必要です。

もし肥料を与えるのであれば、株が新しい葉や根を出し始める成長期、具体的には5月~9月頃の暖かい時期に限定します。

その際も、市販の洋ラン専用の液体肥料を、規定の倍率よりもさらに2倍ほど薄めたものを、月に1~2回、水やりの代わりに与える程度で十分です。

茎が折れたり変色した時のトラブル対処法

大切に育てていても、思わぬトラブルが起こることもあります。代表的な2つのケースと対処法を知っておきましょう。

何かの拍子に花茎がポキッと折れてしまった場合、もし茎の皮一枚でかろうじて繋がっている状態であれば、折れた部分を合わせてセロハンテープなどで固定し、支柱を添え木にすると、復活する可能性があります。

しかし、完全に離れてしまった場合は元には戻りません。その際は、切り口をきれいに切り直して、切り花として楽しみましょう。

花が終わった後に、花茎の先端から徐々に茶色く枯れていくのは、多くの場合、自然な老化現象なので心配いりません。しかし、葉の付け根にある根元部分の太い茎が、黒くブヨブヨと腐ったように変色している場合は、「軟腐病」などの病気の可能性があります。

この病気は進行が早く、他の株に感染することもあるため、異変を感じたらすぐにその株を隔離し、専門の園芸店などに相談することをおすすめします。

切る前に準備すべき清潔なハサミ

切る前に準備すべき清潔なハサミ
画像イメージ:花庭

胡蝶蘭の茎を切る際に、最も重要な道具がハサミです。そして、そのハサミは必ず清潔な状態で使用してください。これは、植物の健康を守るための鉄則です。

汚れたハサミを使うと、その刃に付着した雑菌が、茎の切り口というデリケートな部分から侵入し、株全体が病気にかかってしまうリスクがあります。人間で言えば、汚れたメスで手術を受けるようなものです。

消毒は決して難しくありません。ご家庭で簡単にできる方法をいくつか紹介します。

  • 火であぶる:ライターやコンロの火で、ハサミの刃先を数秒間あぶります。最も確実な方法の一つです。
  • アルコールで拭く:消毒用エタノールなどを布に含ませ、刃を丁寧に拭きます。
  • 熱湯に浸ける:沸騰したお湯に刃の部分を数十秒浸けることでも消毒効果が期待できます。

園芸用のハサミがない場合は、切れ味の良いカッターナイフでも代用可能です。その場合も、使用前には必ず同様の消毒を行ってください。

根と花芽の見分け方と間引くコツ

画像イメージ:花庭

株が元気になると、葉の間や側面から新しい芽がにょきにょきと生えてくることがあります。これは新しいか、次の花を咲かせる花芽のどちらかですが、出始めの頃は非常によく似ていて見分けがつきにくいものです。

見分け方のポイント

少し成長するまで待つと、違いがはっきりしてきます。

  • 根:先端が丸みを帯びており、緑や赤っぽい半透明のキャップ(ルートキャップ)が見られます。伸びる方向は下だけでなく、上や横など様々です。
  • 花芽:先端が尖っており、成長するにつれて、将来節になる部分がギザギザと現れてきます。基本的に上に向かって伸びます。

生育が良いと複数の花芽が出ることがありますが、そのまま全てを育てると栄養が分散し、一つ一つの花が小さくなってしまいます。

豪華な花を咲かせるためには、一番元気の良いものを1~2本だけ残し、他の小さな花芽は小さいうちに清潔なハサミで摘み取る「間引き」を行うのがおすすめです。

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胡蝶蘭の茎を切るコツや花後の育て方のまとめ

  • 胡蝶蘭の茎は花が終わったら切るのが基本
  • 切る目的は「二度咲き」か「株の体力温存」かで決める
  • 二度咲きは茎の途中にある節の上で切る
  • 株の温存は花茎の根元近くで切る
  • 切る道具(ハサミやカッター)は必ず消毒する
  • 花茎が茶色く枯れるのは自然現象の場合が多い
  • 根元の茎が黒く腐るのは病気のサイン
  • 切った後の植え替えは2年に1度が目安
  • 植え替え適期は春から初夏(4月~6月)
  • 植え替え直後の水やりは1週間ほど控える
  • 水やりは植え込み材が完全に乾いてから
  • 肥料は成長期の5月~9月のみでOK
  • 肥料は規定より薄めて与えるのが鉄則
  • 根と花芽は見分けがつくまで待ってから判断する
  • 置き場所はレースカーテン越しの明るい日陰

胡蝶蘭は生命力が強く、少しのコツさえつかめば、何年にもわたって美しい花を咲かせてくれる魅力的な植物です。この記事を参考に、ぜひ花が終わった後のお手入れにも挑戦してみてくださいね。

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こんにちは、「花庭」を運営している園芸好きのさくらです。

季節の花やハーブ、野菜を育てながら、日々の小さな発見をこのブログに綴っています。

初心者さんにもわかりやすく、気軽に園芸を楽しめるような内容を目指しています。

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